2010年upの記事をリニューアルしました。
- 東北本線と常磐線の合流地点で見られる電気機関車
- ED75形:
主に常磐線コンテナを牽引しています。
交流電化区間専用の電気車です。
- ED75形:
- 直流直巻電動機が使われその制御方法は
変圧器低圧無電弧タップ制御,
タップ間電圧連続制御,
弱界磁制御が使われています。 - 主に常磐線の貨物の牽引として使われていたようなので,2011年3月11日以降はほとんど見られなくなっています。
たまに見ることが出来ても,単独での走行・・・それも早朝だったり。
EH500との重連だったり・・・これは珍しいですけど
EH500とED75の重連
これは2012年6月2日岩沼駅操車場で撮影しました。
そして,
EH500とHD300ハイブリット機関車の重連
2014年2月11日撮影しました。
EH500形
交直切り替えつき電気車- 主に東北本線でコンテナを牽引しています。
交流直流切り替え三相かご型誘導電動機 VVVFインバータ制御 -
EF81形
北斗星・カシオペアを牽引していた交直切り替えつき電気車 - 直流直巻電動機 抵抗制御・3段組み合わせ・弱界磁制御
- 『残念ながら北斗星は2015年度中に廃止になるのだそうです。』
- 北斗星をまとめたものです。
- 『廃止にしねーでくれ~。おねげ~します』
-
EF81をカシオペアカラーに塗装
2010年の夏ぐらいからカシオペアと北斗星に本格導入された
EF510形
交直切り替えつき電気車
三相かご型誘導電動機PWMコンバータ・VVVFインバータ制御
PWM(pulse width modulation) ・VVVF(variable voltage variable frequency)
このほかに直流区間専用の電気機関車もありますが,東北本線では黒磯から南でしか見られません。
なぜ3種類の電気機関車が必要になったんだろ?
それはパワーエレクトロニクスの進化の変遷でもある様です。
交流送電と直流送電の違いから考えてみましょう。
交流送電方式と直流送電方式では,それぞれ一長一短あります。 - 交流送電方式の長所
- 交流方式は電圧を変えることが比較的容易なのと,高圧の遮断も比較的容易。
- 商用周波数を変更せずに電気車に供給できるために変電所設備が簡単になること。
- 電気車で電圧を変更できるため電気車に供給するまでの電圧を高くとることができる。
- 電圧が高くできるということは送電距離を長くとることができ変電所間隔を長くすることができます。
一般的に,1500V直流方式では変電所間隔は5~10kmなのに対して20kVK交流方式では40~100kmまで可能です。 - 交流送電方式の短所
- 交流送電の場合は電気車の車両費が変圧器・変流器を積む関係上割高になること。
- 交流電流が鉄道線路に近接したNTTの通信設備に誘導支障(電力線が通信線に接近しているとき,通信線に電圧および電流を誘導し種々の通信障害が出る場合がある)を及ぼすので、これを改修するための補償費をNTTに支払う必要がでてくる。
- 高圧送電の為の絶縁離隔距離が大きくなり地上設備が高くなる。
- 交流電流が流れることによる表皮効果による動態抵抗の増加・・電線の断面積が大きくなった場合,電線の中を流れる電流密度は中心部に行くにしたがい疎に,外側(表皮)になるほど密になる現象をいいます。
この表皮効果により有効断面積は減り抵抗値が増える結果になるんです。
抵抗値は増えれば電流は流れにくくなります。
表皮効果は周波数の高いほど,太さの太いほど,透磁率の高いほど大きくなる傾向があります。
電力線搬送電話に用いる200kHz程度の周波数になると,抵抗は直流抵抗の30数倍にもなりますが。商用周波数の場合は直径20mmのもので実行抵抗が2.5%ぐらい増加すると言われています。
- 電圧と電流で位相差があり進みや遅れが発生して無効電力が発生する。
無効電力って?交流の場合電圧と電流に位相差が発生します。
その位相差が大きければ大きいほど無効電力が増え,電力を効率よく使うことができなくなります。 - 電線が3本必要でイニシャルコストの問題がある。
- コロナ損,雑音がおおい。
- コロナ(放電)とは、
- 送電線等において、電線表面の電位傾度(電位の 傾き)が大きい箇所で絶縁破壊を起こして、放電する現象のことをいいます。
- その時起きる障害は,
- 送電の効率が低下する
- 障害電波を発生する。
- 騒音が発生する。 等が挙げられます。
- 直流送電方式の長所
- 直流送電は交流と違い電線が2本あるいは1本ですみます。つまり支持物・絶縁物・ケーブルが節約でき初期投資が安価で済むということなんですね。
- 直流はプラスとマイナスだから2本,1本の場合は,海水および大地を帰路とすれば送電できます。
- 無効電流分がない・・・電圧と電流に位相差がない,表皮効果もないので同一導体でより大きな電力を送電できます。
- 直流送電方式の短所
- 高圧の直流遮断が難しい。
これは交流と違い直流は周波数がなく0Vになることがないため遮断しようとすると,遮断機を切り離した瞬間アーク放電がおこり非常に危険です。 - 無効電力の輸送ができない。
- 電食の心配がある。
直流電気鉄道の場合,レールはまくらぎで支持されており,漏れコンダクタンス(電気の流れやすさ)を通して大地に結合し,負荷電流が流れるとレールに電位が発生し大地に漏れ電流が流れます。
その時に近接した場所にケーブル,水道管などの地中埋設金属体があると,レールから流出した漏れ電流は,大地より抵抗の低い金属を通り,変電所付近で流出してレールにもどります。
このとき金属体は地下水が電解質になり,陽極部に当たる電流の流出部分は腐食してしまいます。 - JRグループ(電化率56%)
- 交流25kV 新幹線
- 交流20kV方式 北海道・東北・北陸・九州
- 直流1500kV 関東甲信越・東海・関西・中国・四国
- 民鉄(電化率74.9%)
- 直流1500Vが最も多く,直流600Vや直流750Vが地下鉄や地方交通線,新交通システム等
- 当初電気車に直流直巻電動機が使われた理由。
- 電気車は,発車し加速するときに大きなトルクを出す必要があり,始動トルクの大きいもの,また上りこう配ある時も大きなトルクが必要であるがそのために電力があまり大きくならないものがよく速度制御が広範囲,簡単に行え,平たん地線では高速が得られるもの。
並列運転の場合負荷の不平衡が少なく電源電圧の急激な変化に対して安定である電動機という理由からでした。 - なぜ直流き電方式,交流き電方式の2種類の方式が併存しているのか。
- さまざまな理由があると思いますが,電化し始めは直流電化の技術しかなかった。
その後交流電荷の技術が確立されてきたこと。
直流電化と交流電化の一長一短でも書きましたが,総合的に考えて都市部においては,ノイズ対策のいらないかつ電気車の単価が安い直流電気車を走らせることができる直流電化へ,山間部や人口密度の低い場所を走る路線,長距離で高速大量輸送する路線は交流電化に移行していったんだと思います。 - その他に
- 交流電気車は粘着係数が高いという長所をあったことも一因だと思います
(粘着係数?:鉄道車両は,車輪とレール間の摩擦を利用する粘着駆動方式で動いています。
けん引力が粘着係数と粘着重量の席よりも大きくなると空転します。
粘着係数は速度の増大とともに減少する傾向があります)。
直流電気車では低速で電動機を直列につなぐが、電流一定のために、空転が始まってもトルクが下がらず回転数がむしろ上がる傾向になります。
一方交流電気車では一般に並列接続であるので、回転が上がると電流が減少してトルクが下がり、容易に再粘着します。
また直流電気車は抵抗制御を用いることにより、加速中に一段ごとに電流が一時的に増大して空転を起こしやすいのに対し、連続に電圧を変えられる交流電気車はこの空転を少なくできるので,大量輸送にとても適していました。 - 現在
- 先ほども書きましたがインバータ技術の飛躍的進歩に伴い。
VVVF制御による誘導電動機(直流電動機に比べメンテナンス性がよく軽量)が主流になって,
再粘着制御が簡単に行えるよう(スムーズに加減速ができるということ)になり,
交流電気機関車の利点はなくなってきています。
今から30年以上前は,電気機関車が多数の客車をけん引していた時代でした。
そのころの電気車は,直流電動機を主に抵抗切り替えによる方法で速度制御していました。
これは,機械的に抵抗を切り替えて直流電動機を制御するため,切り替えた瞬間にトルクがが発生し(切り替える都度大きなトルクが発生するため)階段状に速度が速くなりスムーズな制御ができませんでした。
ご記憶の方もいらっしゃると思いますが,発車する際,ガツンガツンという衝撃とともに発車してましたよね。
運転者の技能や性格が如実にわかってしまう速度制御方式だったのです。
ところが現在のインバーターによる誘導電動機の制御では,電気的に電圧および周波数を無段階で可変する制御方式のため,とてもスムーズに加速ができるようになりました。
インバーターの制御では加速する際独特の(結構この音のファンがいるようですが)音がします。
これは,周波数を変えているために発生する音で,高くなれば音も高くなります。 - あの日以来見られなくなってしまった『スーパーひたち』です。
- 阿武隈川跨線橋・・・岩沼側で
*交流送電方式
交流送電方式は,交流を変電所で一般に単相方式に変換,電気車に適した電圧に降圧して電気車に供給しています。
電気機関車側では,この交流を運転に適した電圧に降圧し,シリコン整流器(交流を直流にに変換)などで直流モーターに供給するシステムをとることが主流でした。
これは当時直流電動機は電動機の中でも最も制御しやすい電動機であり広範囲の速度制御や精密運転に向いていたという理由からです。
直流電動機の制御には抵抗制御,直並列制御,チョッパ制御,界磁制御が使われています。
ただ最近はインバータ制御の技術が飛躍的に進歩して電動機は誘導電動機を使用したインバーター制御が主流になってきています。
直流送電方式
直流送電方式では変電所で一般電力送電から交流電力を受電し,変圧器で所定の電圧に落とし(600V,750V,1500V,3000V)シリコン整流器等の直流変成機器により交流を直流にして電気車に供給する方式です。
交流送電方式,直流送電方式どちらをとっても一長一短あることが分かったと思います
じゃ現状はどうなの
電化の歴史は直流電化から始まり輸送量の増加やパワーエレクトロニクスの進歩に伴い交流電化に移ってきました。
日本の商用周波数による単相交流き電(変電所から電線路を通して電気車に電力を供給すること)方式は仙山線作並が発祥の地です。