パノラマ

山への思い

生きる意味。生きてる意味。生れてきた理由。
滑りまくってる人生。
そんな事に関係なく滑りまくる山。
一心不乱にブーツを雪の斜面に食い込ませ,筋肉を収縮させる。
繰り返し,繰り返し,何万回も繰り返し続ける動作。
意味がなさそうだけど,とっても意味がある動作。
そんな動作は。
薄っぺらなプライドなんかは,
「ヌハハハハ」と笑い飛ばしてしまう。

失敗を,成功で補えなかった。
そして,繰り返された失敗の山。

失敗は,人の記憶に焼きつき,その記憶から消し去る事は出来ない。
そのほとんどは,自分のなかに住む,もう一人の自分が原因。
そんなもの,
「ワハハハハハ」と笑い飛ばしてしまえばいい。
滑りながらも,登る事で。

僕の積み上げてきたものってなんだろう?
と時々考えます。
そして,虚しさに気付きます。
その虚しさを追いかける様に,人の価値は何で決まるのだろう?
と頭に浮かびます。
そして,焦燥感に囚われます。

「・・・・」

そんな事が頭に浮かぶ瞬間,斜面は凍り付き滑り落ちます。

世の中のつまらない考え方を残念に思うことにしよう。
規則正しく確実に斜面に突き刺さるブーツの音に,悩める自分が生き残るためのヒントがある。
それに気付きました。

楽しむことで,人の笑顔は輝く様に。
山の斜面には,輝く汗と多くの笑顔がある。
光が織りなす不思議なパノラマ。
濃紺の空に溶け込んでしまいそうな不思議な感覚。
すぐそこには宇宙がある。
本当にすぐそこに宇宙があるように感じます。
そんな素晴らしさは,この地球と言う青い星の上にいるから。

「僕といるのが嫌じゃないですか?」
そんな問いかけが,僕の始まり。

生きる意味は,生きてる意味も,生まれた理由も。
何の意味もない。
生きる事にすべてを。
愛する者と,愛する者達を育んだ自然の為に。
そして,大好きな地球の為に。
大好きな地球の自然のなかで生まれ。
大好きな地球の自然のなかで消滅する。
それが,生なのかもしれないですね。




白い不思議な幹は,冬の不忘山のダケカンバです。
不思議な色を,差し込む光を反射しながら放っています。

スキー場を頂上まで二往復した後,
不忘山の下の方でチョロチョロ遊びながら撮影しました。
チョロチョロじゃなく,ザクザクかな?
臀部と背中と太ももの裏側の筋肉が,とっても疲労します。
本当は三往復してから,不忘山の方へ行くつもりでしたが,流石に疲れて2往復になりました。
一回目は1時間。2回目は1時間半かかりました。
「まだまだ全然だめですね。これじゃ冬の山に飲み込まれてしまいます。
せめてコンスタントに1時間を4往復できないと・・・という目標があります」
ゲレンデで何度も話しかけてくるオジチャンがいました。
ゲレンデの端を登っている僕を見つけると,スキーを「シャーッ」と滑らせながら,僕の方に寄ってきます。
僕のすぐ脇で「ザザザザ~」とかっこよく止まって。
「大変そうだね」
「結構,シンドイですね。
冬の不忘に一人で登れるのが当面の目標なんですよ」
「冬山は,やっぱり4~5人だよね。
先頭を交代しながらじゃないと,きついからね~」
「交代でラッセルしながらって事ですね」
「うん。そうだよ」
いろいろ話した後。
「シャ~」とかっこよくゲレンデを滑り降りるオジチャン。

しばし,沈黙の山登り・・・・

ゲレンデは閑古鳥が鳴いていているのと,このオジチャン明らかにうまいので,滑り始めるとすぐにわかるんです。
来た来た来た~「シャー。ザザザザ~」
「よく会いますね~」
「そりゃ,そうだよ。スキーの方が早いもの」
「只登ってたんじゃ,つまらないでしょう。その辺の林の中散策したら?」
「今日の目標は,ゲレンデ往復3回と決めてきたんで,三回目までなんとか頑張ろうって思ってるんです。
終ったら不忘の入り口あたりに行ってみようとは思ってますけどね」
またまた,いろいろ話した後。
「俺チョット・・・・」
ゲレンデのもっと端に寄って行くオジチャン。

「???・・・バックカントリースキー?」

今度もかっこよく・・・足を開いて・・・
何も俺の登ってる脇でワザワザしなくても・・・・
「ソンジャ,僕は登ります」
「おう,頑張んな」

ゲレンデの斜面で会うたびにいろいろ話しかけてきます。

このオジチャンは,1回目の往復が終わり,汗だくのベースレイヤー(下着)を脱いで,汗を拭き。
ホットドッグを片手に何を着るのがいいのか?悩んでいる時,話しかけてきました。
「これから登るの?」
「いえ,ゲレンデから一回下りてきたところです」
「エ!もう?凄いね。何分かかるの」
「登り30分ぐらいですかね」
「エエエエエ!凄いね。凄すぎるんじゃない」
はは~僕が不忘に行ってきたと思っちゃったみたいです。それも登り30分で。
「違いますよ。ゲレンデの頂上までです。冬山は全くの素人なんで・・・不忘に行くためのトレーニングですよ」
「そうだよね。30分は考えられない。雪のないときだって・・・ね」
桑折から来たんだそうで,ほぼ毎週滑りに来てるんだそうです。


一往復ごとに駐車場に戻り,ベースレイヤー(下着)を変えながら体温調整。
最後は暑くてベースレイヤー一枚で登ってました。
おっと,冬用のトレッキングパンツは穿いてます。
着替える時に,ホットドッグを1本食べてエネルギー供給。
登りながらはピーナッツとギンビスをバリバリ,飲み物は火星の食卓特性バイオドリンク。

アルパインクライマーは超人だと思います。
そして,認知バイアスをコントロールできる能力を持つ,優秀なナヴィゲーターだという事ですよね。
スゲ~な。

山に魅かれ,山に登る人の気持ちが,登る度に,登る程に,山から伝わってきます。

自分の身体を操りたい。
それも自由自在に。
今更って気もしますけど・・・何とかなる様な気が・・・
チョッピリですけど・・・本当にほんのチョッピリですけど最近少しできてきてるような気がします。



林の奥に不思議な色で輝くダケカンバ・・・ だから,冬の山が大好きです。
移り変わる景色。
瞬間瞬間の景色に,見とれてしまいました。

空き缶

ナンダ!ヌシャ!クラツケッカンナ!コノ!

福島県郡山エリアあたりの方言?です。
方言と言っていいのかちょっとわからないですけど。
あえて方言と言わせていただきました。
福島県石川町出身の同僚も使ってたし。
(飲んだ時とかですけどね)
このイントネーションがたまらなく好きです。
文字を見ただけでは,わからないと思いますが。
多分『ナンダッ!ヌシャ!クッラツケッカンナッ!コノッ』て言う感じですかね。
兎に角,いい響きなんです。
とっても腹立ってんぞ~って感じが伝わってきます。

2013年9月24日 午前4時40分~午前4時50分
日が短くなった暗がりの中,家を出発。
南北に長い片側一車線の道路を西から東へ渡ろうとしたき,
北側から南側にに行き過ぎる車が来たので,
歩道の車道側に立って,その車の行き過ぎるのを待ってました。
出発して間もないので・・・起きて間もない・・・「ボ~」っとしてました。
車が通り過ぎる瞬間。
「ガチャ」とドアの開く音。
なんで?走ってる車のドアが開くの?
「カ~ン,ガランッ ガランッ・・・・・
「バタン」ドアの閉まる音。
・・・・・・ガラガラッ,ボコ」
「イテ」
「?」
「缶コーヒーの缶じゃねーかよ」
思わず足にぶつかったまだ生暖かい缶を拾い上げた瞬間。
『ナンダッ!ヌシャ!クッラツケッカンナッ!コノ』
リミッターが解除されました・・・・



散歩の奥深さを楽しむようになってきたある日。
楽しい事だけではない事を思い知らされる出来事がありました。
早朝の散歩で近くの交差点内の歩道を通り過ぎる時。
この交差点は北側から侵入して,東に言ったり,そのまま南に行ったり。
ほとんどの場合は西北西に進路をとるんですが。
だいたい散歩の時経由していくルートになっています。
その交差点の歩道に侵入直後。
缶が蹴られたような音。
Bethが車道側から逆側に飛び跳ねる様な俊敏動き。
「ナンダ!ナンダ?」
と思った瞬間。
「ガラガラ。ボコ」
「イテ」
缶コーヒーの缶だよ。
「ウ~ン。Beth!自分だけ逃げたのか。ヒドクネ」
なんで缶が飛んできたんだ?その時は,その理由を解明できないまま西北西に進路をとりました。
そんな事件があってから,
交差点内を注意してみるようになりました。
そしたらですね・・・・

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こんな風に缶が置いてあるんです。
もっと交差点内に入った場所の時もあるし,交差点から離れた場所の時もある。
交差点の北側で,直進and左折ラインと右折ラインの間。
確認できた範囲で100%です。
おそらく,この置かれた缶が車に跳ね飛ばされてぶつかったんじゃないかな?
あんまりくだらないものは,撮りたくはなかったのですけどね。
「でも,今回は撮りました!」
置く瞬間は撮れませんでしたが,跨線橋の登り口から目撃しました。
さらに跨線橋西北西に進路をとり朝日を撮影しながら車の行方を追っかけるとですね。
「ワカッチャイマシタ。イヤ~コマッタモンダ。ドウスッペ」
この後も,実際に置く現場は目撃できませんでしたが,
缶が幾度となく置かれているのを目撃することになるんです。




そして,
2013年9月24日 の早朝。
よっぽど縁があるのか?またしても缶コーヒーの缶です。
交差点から北に約250mの地点です。
そして,街灯に照らしだされた車は,あの8月31日に目撃した車でした。
この時,頭の中で次の方程式が成立しました。
行動起こさず後悔-行動起こして後悔>後悔先に立たず
そしてリミッター解除。
赤信号で停止した車を見て,
右手でカメラを抑え,左手首にリードを巻いて缶を握り,
ダッシュしましたよ。
しかし,赤信号だった交差点は青に変わり・・・
ただ,依然目撃したとおりであれば,曲がってちょっと行くと駐車するはずだから。
駐車する前に追いつきたい。
走り続ける事500m。
ダッシュの500mは流石にきついです。
こんな時に限って,Bethは引きずられる様に走るし。
僕がBethでも,そんな理由で走りたくないもんね。
でも,
「ゴメンなBeth。どうしても許せない事ってあるんだよ。
駄目なものは,駄目なんだぜ~!」
・・・・・・
「フ~」
なんとか駐車し終わる前に追いついたのです。
駐車場へバックで入れてる最中のヘッドライトの前で,
カメラを抑えることが必要なくなった右手に缶を持ち替えて,
水戸のご老公のごとく缶を差し出しながら。
「ズンズン」と近寄って行ったのであります。
降りてきた運転手は,年配の男性で。
てっきり若いアンチャンを想像してたのですけど。
ちょっと拍子抜けしたのは事実でした。
「あなたが投げ捨てた缶が,僕にぶつかったんだよ。危ねーじゃねーの」
と,ついぞんざいな口をきいたのであります。
「〇△◇◎☆」と思いっきり意味不明の言葉。
「?」
「〇ミ◇セ☆」
すみませんと言ってる様だが,ひどく呂律が回らない。
加齢のせいかアルコールのせいか,それともその両方か?
アルコールだろうね,どう考えても。
「あそこの交差点で信号待ちしてる時,缶コーヒーの缶置いてきてるでしょ。いつも」
「ハイ。〇ミ◇セ☆」やっぱり呂律が回らない。
「怪我したらどうすんだよ」
やっぱり呂律が回らない。
「なんでそんなことするんだ」
「〇ミ◇セ☆」
「こんなことしてると,いつか社会的制裁を受けることになるよ」
「〇ミ◇セ☆」
お話にならないのです。
ア~ア。
やってられないよね。
だんだん面倒くさくなってきたので,冷たくなった缶を渡して,
とっても不愉快な気持ちを引きずりながら,散歩に出発したのであります。

なんで,
あんな年齢で曲がりきったことするんだろう?
それも常習犯だし。
「曲がってるままだと,家に入れてもらえなくなるよ」
って誰にも言われなかったのかな?
そうやってずっと生きてきたのかな~?
またやるだろうな~。
等と,つらつら考えながら。



*********************************************** p.s. ***********************************************


今回の事件は,気持ちがとっても沈む嫌な事件でした。
そして,
『火星から来たBeth』にはふさわしくないと思ったのですが。

安易な心無い行為,自己都合で行きづりにばら蒔かれる物が,
どんなに多いのか。
そして,不快感をまき散らし,荒んでいく。
それも周りを巻き込みながら。

自分も同類じゃないと言い切れる?
違うと言い切れる自信はありませんでした。
何をしても後悔や自己嫌悪はついて回ります。
自分の行動に対して
「ザワザワ」と,
耳元でする嫌なざわめきから逃れたくてUPしました。




嫌な思いをすることはあるけど。
やっぱり散歩で過ごす束の間のひと時は,素晴らしいひと時なのです。

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人が歩く速度で見る視界には,多くの情報が飛び込んでくる。
そして,様々な事が,それも隅々まで見えてくる。
歩く速度で後方に流れる視界にはマクロ的な全体が写り,
歩きながら一点を見つめれば,マクロの中のミクロの視点が広がる。
更に立ち止まって,腰を下ろせば,自分を中心に半円形の空間が広がる。
それは,歩く速度でしか見ることのできない,360度のパノラマだと思うのです。

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最新コメント
火星から来たBeth : Beth came from Mars.
2009年10月28日に火星から来ました。
Bethと言います。

Bethは,
宮城県動物愛護センターの譲渡会に参加して
(2009年10月28日)
譲り受けてきた犬です。
月齢3か月ぐらいと,スタッフの方が説明してくれました。
出生のすべてが謎に包まれた犬なのです。

Bethが我が家に来たのを機会にブログを開設しようと思い。
タイトルをどうしようか悩んでいる時・・・

札幌在住の友人が
「出生がわからないんだったら火星から来たことにすれば!」
で決まったタイトルなのです。

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just for a moment
Talking in the window as the light fades
I heard my voice break just for a moment
Talking by the window as the light fades
I felt the floor change into an ocean
We'll never leave here, never
Let's stay in here forever
And when the streets are quiet
We'll walk out in the silence
Listening to the movement that the night makes
I let the room fade just for a moment
Sitting in the shadows that the leaves make
I felt the floor change into an ocean
We'll never leave here, never
Let's stay in here forever
And when the streets are quiet
We'll walk out in the silence
Listening to the music the machines make
I let my heart break just for a moment
Listening to the music the machines make
I felt the floor change into an ocean
We'll never leave here never
Let's stay in here for ever
And when the streets are quiet
We'll walk out in the silence
プロパ癌だ!


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