
- 帰省。
- 翌朝。
- その日の午後。
- 夕食の準備。
- お食事の時間。
夏休みで帰省。
21時過ぎに実家に到着。
玄関の鍵を開けて。
「ただいま」
micchieはリビングで原稿書きながら,ウイスキーを飲んでました。
「おっ。腹へったろ。台所の鍋に肉丼が入ってるから。食べていいぞ。俺は食べちゃったから。」
「ふ~ん」
で台所に行って,それらしい鍋のふたを開けてみると。
「ゲッ?」
何と形容したらいいのか判らない食べ物が。
豚肉と玉葱と人参の炒り卵煮とでもいいましょうか。
豚肉と玉葱と人参のごった煮に生卵を1個を落とし,ぐちゃぐちゃとかき回したような・・・・。
ちょっとつまんでみると・・・多分醤油味。
まっ,肉丼と言えないことはない。
その他に料理した気配はないし,冷蔵庫を開けてみても
豚丼と称している食べ物の残りの野菜,豚ばら肉。そして生卵があるのみ。
実はkeiちゃんは何十度目かの長期入院中。
台所の感じから想像するに,毎日このごった煮をつまみにウイスキーを飲み。
夕食はこのごった煮をご飯にのせて食べていたと容易に想像することが出来るのでありました。
リビングに戻って。
「俺。電車の中で弁当食べてきたからイラナイよ」と嘘を。
「お~そうか。飲むか?」
「うん」
ウイスキーの瓶を出されて。
「自分で勝手にやってくれ」
「俺,おつまみ作るから」
「お~そうか。悪いな」
ウイスキーを片手に
バラ肉を細かく切り,玉葱と人参をみじん切りにし,これを具にしたオムレツを作って。
「はい。おつまみだよ」
「おっ」といって,食べ始め。
「うまいな。なかなか」
本来オムレツとか好きじゃなかったはずなんだけど。
その食べっぷりを見て,毎夜あのごった煮を食べていたと確信を持ったのです。
仕方ないので,その日はそのまますきっ腹を抱えながら睡眠。
micchieの出がけに声をかけ。
「何か食べたいもの有る?」
「特にないな。う~ん。しいて言えば,ソース焼きそばとか天ぷらかな」
「了解」
ソース焼きそばと天ぷらの材料を調達。
僕が食べたかったカジキもちゃっかり買い物かごに入れちゃったりして。
「へへへ,カジキフライ~」
カジキを生姜醤油につけてフライにすると,とっても美味しいくなります。
肉と野菜を炒めて。
焼きそばの麺を冷蔵庫から出し,袋を破って麺を投入。
なんかいつもの麺と違う。
パラっとならない。
べとべとがさらにベトベトになっていく。
「オカシイ」
ゴミ箱に投げ入れた焼きそばの袋を確認。
「が~ん。ガ~ン。もう一つおまけに。ガ~ン。生麺?エエエエッラーメンの生麺じゃね~かよ」
焼きそばと思って買ってきた麺は,ラーメンの麺だったのです。
量販店でよく確認せずに,買い物かごに入れたのだと思います。
「袋空けるとき普通確認するっちゃね」
勝手知ったるソース焼きそば・・・のおごりが悲劇を招いたのでしょう。
麺を茹でれば何とかなるかも?
「う~ん。無理」
麺はサラダ油と野菜と豚肉で『デロデロ。ベタベタ』になってる。
ラーメンに変更できないだろうか?
それも上記理由で無理。
このままいくとこまで行くしかないと腹をくくったのです。
前代未聞!!ラーメンの生麺仕様(使用)の焼きそば。
ベタベタで混ざらずダマになった焼きそばの出来上がり。
3分の1以上がフライパンにくっつく等,とっても酷い物でした。
仕方ないので,翌日に作ろうと思ったカジキのフライと天ぷらも急きょ調理。
「ソース焼きそばって,こんな感じだったかい?」
「ゴメン。焼きそばの麺とラーメンの麺間違えちゃったんだよ」
「そ~か。ま~これはこれで,何とか食べれない事ないけどな」
「・・・・・・・」
黙々と食べ進める中,micchieが突然。
「将来。俺たち二人だけになる可能性が高いから,仲良くして行こうな」
「なんだよいきなり。気持ち悪いな~」
